今回は、前回の記事に続き、公務員を辞めたいと思う理由や原因の可能性を探っていきたいと思います。
※前回の記事を未読の方は是非ご覧ください。
今後公務員はどうなる?公務員を辞めて転職したくなる背景とは何か
そもそも公務員を辞めたくなる理由とは
前回の記事の中で、公務員の財布が悲鳴をあげていることや、待遇が劣化していることを挙げましたが、これは、公務員自体の将来性への不安、と言い換えていいかもしれません。
それを踏まえ、公務員を辞めたいと思う理由や原因を以下のように大別しました。
①公務員自体の将来性への不満(給与や待遇面)
②職場環境(人間関係や年功序列)
③スキルが身につかない
④業務の偏り(激務)
細かくみるともっとありますが、大きく分けた場合はこんな感じになるのでは、と思います。
①については、前回の記事でも触れましたが、公務員の旨味が無くなっている、ということです。
年収も昔に比べ下がっており、共済年金も無くなり、免職されやすい環境も整ってきています。
現在、第2、第3の夕張と呼ばれている自治体が日本全国にいくつもあるように、今後、財政破綻する自治体がどんどん増えてくると思われます。
公務員だって一人の人間であり、生活があるわけですから、自分の勤めている自治体が危機的状況であれば、泥船から逃げるように、ささっと退職するのは至極真っ当判断ですよね。
国の根幹を壊す「少子高齢化」
では、なぜ自治体の財政状況が危機的状況になってしまっているのか?
一番大きいのはやはり「少子高齢化」だと思います。
自治体の収入源はもちろん税金ですが、その中でも特に住民税は欠かせない存在です。
少子高齢化とは生産年齢人口(労働力人口+非労働力人口)の減少と高齢者の増加を意味しています。
これを税金に当てはめると、税金を多く収めてくれる年代の人が減少し、税金が多く必要となる年代が増加する、ということです。
若い人は働いて収入を得ますよね。
その収入に対し、一定の額を控除したうえで、住民税が決定されるわけです。
働いている人が多いほど、収入が多いほど、この住民税の収入は大きくなる仕組みとなっています。
一方で、高齢者ももちろん納税をしていますが、病院に通う頻度が増えたり、高額な治療費が求められる医療を提供されている場合、多くの医療費を支払うことになります。
高齢者の多くが国民健康保険(現在は都道府県が運営主体となっています)に加入しているわけですから、医療費が増えれば増えるほど、自治体の財政を圧迫するわけです。
これらに加えて、介護保険や生活保護費、就学援助費なんかもありますね。不況になれば、生活保護費のようないわゆる「扶助費」がますます増えていきます。
これが限界を迎えると、自治体が破綻するわけです。
試しにみなさん自身の所属している自治体の高齢化率を調べてみてください。平均よりも高齢化率は高いですか?低いですか?
最終的には給料にも影響が出てくる可能性もある
話を戻しますが、財政がひっ迫してくると、次に何に手を出すかというと、職員の給与です。
税金の性質上、どうしても社会保障費>職員の給与、が成り立つわけですから、財政破綻が近づいてくると、職員の給与削減は免れません。
しかもやっかいなことに、公務員の給料は高い、というイメージを世間は持っていますから、公務員の給与下げます!と、首長が言った場合、住民は大賛成するでしょう。公務員の給与削減のハードルは、結構低いのです。
そのような事を踏まえた場合、「今のまま公務員でよいのだろうか」、「退職まで無事に過ごせるのか」といった不安を抱くことは何ら不自然ではありません。
逆に、今その事実に気づき、行動をするのは賢いことだと思います。気づくのが早くて良かったといっても過言ではありません。
今回はここまでにしますが、次の記事では②の内容について触れていきたいと思います。